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| - カテゴリ/定価/発売日
- 音楽/2800円/2008-06-17
- 感想 98点
- 前作「orbital period」から早、6ヶ月。BUMP OF CHICKENの久々のリリース!!しかも、普通のAlbumではありません!!今までの14枚のSingleに収録されていたカップリングのみを集めたBUMP OF CHICKEN初の「シングルカップリング集」それが、この「present from you」です!ホームシック衛星やホームシップ衛星に行った方はもうご存知でしょう。
Vo.藤原さん曰く、「シングル曲と対になっているからカップリング、シングルに入っている曲はカップル」と言っており、ご存知の通りアルバムにカップリング曲は収録されていませんでした。
真っ白な紙に「BUMP OF CHICKEN present from you」の文字をプレスしただけという、非常にシンプルなジャケットですが、ここからすでに、BUMPのあたたかさを感じることができます。
収録曲は 「ダイヤモンド」のカップリング「ラフ・メイカー」 「天体観測」のカップリング「バイバイサンキュー」 「ハルジオン」のカップリング「彼女と星の椅子」 「スノースマイル」のカップリング「ホリデイ」 「アルエ」のカップリング「Ever lasting lie(Acoustic Version)」 「オンリーロンリーグローリー」のカップリング「睡眠時間」 「車輪の唄」のカップリング「夢の飼い主」と「スノースマイル〜ringing version〜」 「プラネタリウム」のカップリング「銀河鉄道」 「涙のふるさと」のカップリング「真っ赤な空を見ただろうか」 「花の名」のカップリング「東京賛歌」 「メーデー」ノカップリング「ガラスのブルース(28 years round)」 そして、新曲「プレゼント」の計13曲です。
「ラフ・メイカー」は泣いている人と、そこへ笑顔を持ってくる、笑顔にしてくれるそんな人物「ラフ・メイカー」を描いた一曲です。この頃から、Vo.藤原さんの作詞力は最大限活用されていました。
「バイバイサンキュー」は非常に聴いていて落ち着き、感動する一曲です。旅立つ時の心情を本当に上手く表した、名曲です。この曲のように別れられたら、不安とかはなくなるのでしょう。変な言い方ですが、「心強い」一曲です。
「彼女と星の椅子」は作曲にBa.直井さんが加わっています。「彼女」がテレビのスター、即ち「星」に憧れていながらも、その夢も諦めていた場面を描いています。1番ではテレビの前で一人、タバコに火をつけ、2番では唄を歌いだします。そして、2番が終わると椅子に立ち上がり、歌を歌い始めます。夢を諦めきれない「彼女」の心情が変わっていくのが分かる一曲です。
「ホリデイ」は僕の好きな一曲です。立ちはだかる現実と夢の中へ逃げ込む主人公が描かれています。覚えやすいテンポと歌詞が特徴ですかね。何回も聴き入ってしまいます。
「Ever lasting lie(Acoustic Version)」は2ndAlbum「THE LIVING DEAD」に収録されていた「Ever lasting lie」の少しアレンジを加えた一曲です。これも僕の好きな一曲ですね。重いテーマを約8分半にまとめた味わい深さのある一曲です。かなりBUMPにしては珍しく、キーが高い曲です。普段とは一風変わったBUMPを楽しめます。
「睡眠時間」はVo.藤原さんの祖父の葬儀のときに、藤原さんがハーモニカで演奏した一曲です。静かな一曲で、藤原さんの声がよく分かります。こういった曲が途中に入るだけで、アルバム全体の聴いている人のモチベーションを上手く動かしているような気がします。
「夢の飼い主」は「夢」がまるで生き物のように描かれています。独特の世界観を生み出している一曲です。
「スノースマイル〜ringing version〜」は4thAlbumに収録されている「スノースマイル」に「ringing」つまり、「響いている」、鈴の音が曲調にマッチしています。
「銀河鉄道」は孤独な主人公の心情や、乗っている電車の中での様子を描き出した一曲です。途中で「車輪の唄」の風景も出てきます。
「真っ赤な空を見ただろうか」は短いながらも、「二人が一つだったら」「一人が二つだったなら」という考えをまとめた一曲です。「夕焼けと真っ赤な空」というテーマが僕の中ではかなり強く、好きな一曲です。
「東京賛歌」は、どことなく「銀河鉄道」の続きの様な気がします。「新しい街」に来て、「自分の街」への帰り方を忘れた主人公に新しい街が帰り方を教えてくれる。そんな一曲です。
「ガラスのブルース(28 years round)」は1stAlbum「FLAME VEIN+1」に収録されている「ガラスのブルース」が対のバラードのように変わっています。「ガラスのブルース」の約1.5倍ほどの長さに変わり、感じ方が一転して、大きく変わります。
「プレゼント」は、2ndAlbum「THE LIVING DEAD」に収録されていた、「Opening」と「Ending」の間に未発表の部分を入れて、ひとつの曲としてまとめた作品です。どちらかと言えば、「元々1つの曲だったものを、2つに分けていた」ので、この「プレゼント」で1曲なわけですね。 書かれたのは2ndAlbumの頃。つまり、メジャーデビュー前に書かれた曲なのです。ですが、これまでの曲以上に深く、優しい歌詞。柔らかく、且つ一直線に訴えかけてくる藤原さんの声。BUMP OF CHICKEN全員が一つとなり、一つの「物語」にまとめ上げられた一曲です。「孤独」の中に潜む「優しさ」というものを歌詞の中にまとめた藤原さんを僕は尊敬します。これほどの作品に出会えたことも、感謝します。
この「present from you」は、今までの曲をただまとめただけですが、前とはまったく違った曲に感じることができます。正に「BUMP OF CHICKEN」の最高傑作です。とても完成度の高い、最高の作品です。(2008-08-18)
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