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| - カテゴリ/定価/発売日
- 音楽/3086円/2013-03-12
- 感想 98点
- 150P、スズムさんを中心に始めた終焉ノ栞プロジェクト。
このシリーズは通常のボカロ曲のメディア化と違います。 通常は企業が作者に対して話を持ちかけるのですが、終焉ノ栞は初めからメディアを狙っています。 つまり、楽曲自体が全体を通した巧妙なストーリーの要素の1部を担っているのです。 そして、シリーズの大詰めで全楽曲(同人CD収録ジブン観察日記を除く)を収録したものがこのCDです。
・DISC1 楽曲12曲+インスト(語りを含む)13曲+シークレットトラックを収録。 各楽曲の前に1つずつ語りが入る構成です。 楽曲はニコニコ動画up5曲+同人CDより2曲+書下ろし5曲です。
ニコニコ動画にもあり、物語の中核をなす4曲の歌唱は原曲IAから次のようになっています。 歌唱=声ということで、それぞれの物語の主人公を表しているようです。 孤独ノ隠レンボ…初音ミク ニセモノ注意報…鏡音リン 完全犯罪ラブレター…GUMI 猿マネ椅子盗りゲーム…MAYU
ミクの調教が微妙だった点等がありましたが、リンやGUMIの方はよかったです。 細かいことを気にしない方であれば十分良いと言ってもいいでしょう。
また、この主人公の割り振りは書下ろしのRe:不在着信、Re:平行恋線でも克明に現れます。 不在着信の方は小説での回想シーンが含まれていないと感じました。 孤独ノ隠レンボと完全犯罪ラブレターの直前の時空間を繋ぐ曲です。 逆に、平行恋線は小説が数行のみだったので新しい感じを受けました。 こちらはニセモノ注意報と猿マネ椅子盗りゲームを繋ぎます。
書下ろしの負け犬至上主義、猟奇的ハイスクールライフはストーリーには直接関係ないと思いました。 全体を通して暗いものが多くなりがちなシリーズ曲が多いことを考えるならば、笑いと言う意味での面白さはあると思います。 歌唱はIA(違っていたらすみません)、曲自体のクオリティもそれなりにあるので高評価です。
残りの曲は、 在来ヒーローズ、書下ろし終末-Re:write-(共にミク、GUMI、リン、MAYU)、 同人CD終焉ノ栞、平凡な日常(共にIA)です。 平凡な日常は落ち着いた曲で、激しい曲が多いなかで優しいメロディが際立っています。
・DISC2 スズムさんのアレンジが収録されています。 アレンジ曲は孤独ノ隠レンボ、猿マネ椅子盗りゲーム、終焉ノ栞です。 ピアノのメロディがゆっくり流れる印象を受けました。 激しい音楽ながら心地よいメロディとなり、BGMとしても最適だと思います。 歌唱はありません。 また、そらるさんの作品も収録されています。
・DVD(初回限定) ニコニコ動画upの5曲が収録されています。 歌唱はそれぞれの主人公の声(つまり原曲のIAではない)になっています。 在来ヒーローズを除く4曲は動画も一部編集されています。 より工夫された動画になっていたので楽しかったです。
・ケース・歌詞カード等 歌詞カードの方はデザイン等問題ありません。 一部では誤字が多かったといわれていますが、故意の変換か誤字かの区別が分からないものはありました。 実際の誤字があったとしても自分は気付きませんでした。
ケースはちょっと厚いと思いました。 3枚入っているのでしょうがないですが。 真ん中のディスクが出しにくい、裏が傷つきそうって思いました。 解説書?(DISC2、DVDの収録紹介、キャラクター紹介等掲載冊子)は中途半端な位置に挟まっていた。 CDのデザインに統一感はありませんが申し分はないです。
全体を通しては満足のいく作品でした。 値段が少々気になりましたが、書下ろしやDVDの動画編集を加味すると値段相応です。
終焉ノ栞シリーズを物語として楽しみたいなら小説、コミックスの方をお勧めです。 曲聴いていても物語は分からないので、このCDは原作兼オプションみたいな感じで考えた方がいいかもです。 実際自分は小説を先に読んでいました。 それからCDを聞いたので、見えてなかったものが見えるような感じがありました。(2013-03-14)
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