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- 本/2008-03-10
- 感想 98点
- 「もし自分が居なくなった後、痕跡を何一つ残せないのだとしたら、どうしますか?」
この時代の世界には喪失病という病気が蔓延しています。喪失病にかかるとまず名前が消え、次に顔が、そして色、さらに影、最後に存在が消える病気です。感染する理由、治る方法は分からず、進行速度は人それぞれに違いますが、存在が消えてしまった人間は「居なくなった」ことになり、その人の存在を示した痕跡は何一つなくなってしまうのです。 そんな中、主人公とヒロインは喪失病に感染してしまいました。喪失症の第一段階である名前を失ってしまった主人公の少年と、ヒロインである少女は、住んでいた町も学校も放り出して、一台のスーパーカブに乗り旅に出ます。目的地は世界の果てまで。それは目的地のない旅であり、たどり着くかは分からない旅です。しかし互いに居なくなったその日が来ても後悔しないように旅をやめようとはしません。 記録と記憶を失った世界で旅をする、少年と少女の物語です。
(2008-03-29)
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