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重力と恩寵―シモーヌ・ヴェイユ『カイエ』抄 (ちくま学芸文庫)


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カテゴリ/発売日
本/1995-12-01
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Nacoruru♡ 98 (2014-11-16)
シモーヌ・ヴェイユの備忘録から文章を抜粋した本。断片的で謎めいた言葉の数々は、私にとっていまだに完全な理解にはほど遠いが、青年時代この書によって、知的神秘主義がありうること、神秘こそリアルであること、神秘へのコミットメントは決して現実逃避ではないこと、等々を直観した。

ヴェイユの全存在をかけた否定神学的身振りは、時に極端すぎるのだが、人を真理から遠ざけるイデオロギーや観念に対する激越な批判は、他を圧倒するほど鋭利である。特に「清めるものとしての無神論」というアイデアに私は魅了された。神に真に出会うためには、「神」を否定しなければならない。それこそがリアルな神秘への道だ。



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2017-08-21 08:35:45