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火車 (新潮文庫)


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カテゴリ/発売日
本/1998-01-30
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ネタバレあり感想
Nacoruru♡ 98 (2014-11-19)
推理小説なのでストーリーに関することは書けませんが、この本は推理小説の中でも新しいジャンルを開拓したのではないでしょうか。この本が扱うテーマは、カード破産という我々にとっては人ごとでない問題です。私はこの本を最初に手に取ったとき、松本清張のような社会問題を取り上げたミステリーなのかな、と単純に思っていましたが、毛色は全く異なっていました。
一言で言えばミステリーであるにも関わらず、犯人がわかったときの満足感やアリバイが崩されたときの驚き、自分の予想と本を照らし合わせる、といったミステリーなら必ず読者が行う基本動作がほとんど必要ないことです。通常のミステリーならば読後感として「ぞっとする」「トリックに驚き」「真犯人に驚き」といった感覚を持つでしょう。しかしこの本は読後何とも言えない悲しさに包まれます。ミステリーを読んでこのような感覚を持つとは。正直この本の奥の深さにはびっくりしています。フィクションとは思えない作品です。お薦めです。



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2017-08-21 08:47:46